D3 空白の宿題
称進学校である俺の学校ではこの時期高校での一番初めの模試を受けなければいけない。そしてテスト対策で辞書のような問題集が配られる。重たい問題集を自転車でふぅふぅ言いながら持ち帰り、空白を埋める物語。
Welcome to my world…
室内に流れるクラッシック、大好きなホットチョコレートを飲みながらシャーペンを持つ。うん、勉強環境としては最適である。本当に素晴らしいのだが相変わらず作者の情景描写は下手くそだ。果たして伝わっているだろうか。
大体、自称進学校は理解できん。予備校に通う必要はないとか言いながらも外部の人を呼んだり俺からしたら理解不能だ。先輩の話では雪の中、登校させたりするらしい。まったく迷惑な話だ。繰り返すがこれは物語の話である。作者なら文句ひとつ言わずサボるだろう。俺は作者等とは違うということはご理解いただきたい。
さて、何の教科からからやろう。特に今回は数学の量が多い。先に片付けるか。俺は教科書を開き一番初めの問題へ。
x=3だからxyは3×2で6だ。次は…迫りくる記号と数字の問題を解き続け俺は最終問題にページをめくった。この宿題は結構楽勝だーそう思ったのも束の間、最終問題にぶち当たった。
「,,,」
と、解けない。ワカンナイヨ、、、俺は決して頭が悪いほうではないのに。
小一時間ほど考えたが答えはおろか解き方すら出てこなかった。プライドがズタズタだ。
仕方がない。答えを見るか。
俺はぬるくなったホットチョコレートを片手に最後のページへ。あまりゆっくりしていられないあと30分ほどで好きなドラマが始まってしまう。しかし問題に答えはついていなかった。あれ別冊だったっけ?
しかしバックの中身にはそんなものなかった。どういうことだ?答えはないのか?
うぅ気になる。答えがないと気になるじゃないか、集中してドラマが見れない。
仕方がない。気になるがドラマを見て早く寝よう。なんか忘れているような気がするが気のせいだろう。今日は最終回、涙もろい俺はハンカチを持ってリビングに向かった。
俺は次の日、頑張った数学の問題集と空白(blank)の国英の問題集を持って学校へ向かった。
先生に怒られたのは言うまでもないだろう。